そばのうんちく
 そばはご存知の通り、うなぎ、すし、天ぷらと並ぶ江戸庶民の味です。 そば好きが集まれば、十人十色のひいきの蕎麦屋があるはず。お酒、肴、食べ方などでさぞやそば談義の花が咲くことでしょう。 その中で、おそばの召し上がり方について、二三お話しさせていただきます。
 まず、出てきたそばはすぐに食べること。 猪口は必ず片手で持ち、そばを三、四本くらいずつつまみ、汁に少しつけて一気にすすりこみます。そばの香りが口の中に広がり、追っかけるように汁に絡まったそばが喉を通り、そばと汁が混然一体となって、おいしく召し上がれると存じます。
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 また、そばが長ければ、ざるの上で箸でさばいて短くまとめてたぐるか、猪口の端で人差し指を使って切るのもひとつです。 女性の場合、猪口を口元に近づけるようにすすりこみますと、つゆがはねず粋に召し上がれると存じます。男性もまたしかりです。
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 少々しゃつちょこばった事を申し上げましたが、ようするにしちめんどくさい講釈など気にせず、お気に召すようにたべられるのがよいかと存じます。 ただ、人様から見て、くれぐれも無粋にとられぬように。
 あと、ひとつ付け加えさせていただくとすれば、ご注文のタイミングです。特にお酒を召し上がるお客様の場合ですが、そばをつまみにお酒を飲まれるのか、締めくくりにそばを召し上がるのか、はっきり決めてからご注文されるのがよろしいかと存じます。
 ズズーッと、粋にそばをすすりこむ音が店内に響くと、蕎麦屋のおやじとしてとても幸せで、お客様に対し、ただただ感謝の気持ちでいっぱいになります。
主人合掌